Column

2019/04/29

配車アプリライドシェアー各社熾烈な市場獲得競争

Cut-throat Competitions 

    ローカル系及び外資系を問わず、配車アプリ自動車ライドシェアー会社各社がGrab社の市場に食い込もうと昨年設立されたが、市場の厳しい獲得競争の中、静かに撤退しはじめている。

 20184月にUber社は、ベトナムを含む東南アジア各国から撤退すると地域のライバル会社であったGrab社は、ベトナム市場を容易に獲得する一方で、ローカル系同業他社の同市場への参入を加速化させた。これらのローカル系には、Mai Linh社・Fast-Go社・Vato社・Aber社・MLV社・Go-ixe社・Xelo社が含まれる。もしこれらの社名に馴染みがなければ、これらは市場から退場、、、、

 市場の雄であるGrab社の牙城を切り崩すために立ち上げられたこれらの企業は、顧客への魅力的な販促やドライバーへの報酬などに力を入れてきたが、その多くが経営上の困難に直面したのだった。結果、人々がそららの社名を知る前に市場からの撤退を余儀なくされたのである。ヨーロッパに拠点を置くベトナム人エンジニアグループによって20187月に市場参入したAber社は、6つの配車サービス(バイクタクシー・四輪自動車・デリバリー・レンタカー等)を開始。しかし、同社の配車アプリは、同業他社と異なり、ライドシェアーサービス利用時のピーク時間帯による料金の引き上げ設定がなく、ドライバーの月収入も顧客が実際にシェアーライドを利用した金額にチャージするのではなく、彼らのその月の売上をベースに請求していた。Aber社は最近、市場から一時撤収を発表したが、いつカムバックするかについては発言しなかった。

 ベトナムでバス輸送事業を行っているPhuong Trang社から出資を受けた別のライドシェア−会社のVATO社もAber社同様の問題を生じている。Grab社やGo-Viet社との市場獲得競争は熾烈を極めており、VATO社としても他の対抗手段を講じる必要があるとVATO社経営陣の一人はいう。Fast-Go社・MLV社・Go-ixe社の配車アプリのドライバーや常連客らに因れば、これらの配車アプリ利用者数は実数が少なく、結果ドライバー数もわずかで、送迎に時間を要し、ドライバー・利用者ともどもに不利益を生じさせているのだという。業界関係者は、すでに力の無いライドシェア−の事業撤退はこれからも進むであろうとのこと。

さらなる過当競争が待っている?!

 いくつかのベトナム配車アプリライドシェアー各社が廃業に追い込まれるなかではあるが、ベトナム技術スタートアップ企業BeグループのTran Thanh Hai社長はベトナム技術を基盤にしたライドシェアー市場参入企業はこれからも増え続けるだとうと信じているという。同社では、昨年12月に配車アプリ“Be”を立ち上げた。某国際機関の試算によれば、ベトナムのライドシェアー市場規模は年間5億米ドルにのぼるとのこと。ハノイとホーチミン市でライドシェアー市場は93%を占め、これはベトナム全土でみた場合、まだまだ余裕があることを意味している。加えて、個人輸送のみならず、フードデリバリー分野など他のサービスも拡大中で、すでにGrab社とGo-Viet社で苛烈な競争を繰り広げている。

 とかくするうちGrab社は、ソフトバンク・ヴィジョン基金より146千万ドルの追加資金を受け、同社のファイナンス業務・フードデリバリー・貨物輸送業務・デジタルコンテンツ配信業務・デジタルペイメントサービスなどの業務拡大に充てるとのこと。元ハノイ交通協会会長のBui Danh Lienさんは、配車アプリ事業は資金力勝負であり、潤沢な資本力と賢い戦略を持つ企業のみが最大の市場を獲得するのだと話した。

(ブログ筆者寸評)

 5年ほど前にベトナムに登場した配車アプリに因るライドシェアー。それまでの移動手段といえば、タクシーかバイクタクシーであったものが、アッという間にタクシー乗車率は激減し、スマホを使いこなせない旧世代のバイタクドライバーは市場から完全に駆逐されてしまった。その後、しばらくは外資系のUber社とGrab社の二強時代が数年続いたが、2018年初頭にUber社が東南アジアから撤収すると、記事にもあるようにローカル系が市場に参入してきた。

  私も日々、配車アプリをよく利用させてもらっているが、各社様々な魅力的なプロモーションを利用者に対し途切れなく提供し、囲い込みに余念がない。が、まさに各社つぶしあいの様相である。潤沢な資金がなければ、普通に続けられない事業と素人目にも納得。恐らく、今後Grab社がベトナム市場の覇権を握るのだろうが、まだまだ都市部だけ。これからベトナムを始めASEAN域内の地方へもサービスを浸透させてゆけば巨額の利益を生み出してゆくだろう。

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