Column

2019/07/29

Vingroup民間商業航空業界へ参入!

 ベトナムのコングロマリットであるVingroupは去る7月16日、ハノイに本拠を置く民間航空事業を展開するVinpearl Air Aviation JSCを設立したと発表した。Vinpearl Air Aviationの資本金は1兆3,000億ドン(5,600万米ドル)で、本社はLong Bien地区のVinhomes Riverside市街地に設置。

 旧名VinAsia開発サービス&トレーディングJSCとVinpearl Airは2019年5月29日にハノイ計画投資省に新商号及び登記目的に変更、そして登録を果たした。Vingroupの別部門であるVinAsia Tourism Development JSCがVinpearl Airの45%の株式を保有し、起業家のHoang Quoc Thuy氏とPham Khac Phuong氏がそれぞれ30%と25%の株式を保有。Phuong氏はVingroupの経験豊富な執行役員であり、Thuy氏は、今は現存しない同グループの主要ステークホルダーとして会社を経営していた実績の持ち主。

 またVingroupは同日、CAEオックスフォード航空アカデミーと提携し、ベトナムにVinAviationスクールとVinpearl Airトレーニングセンターを、8月目処に設立することを発表した。Vingroupとアカデミーの間で結ばれた契約の下で、VinAviationスクールは、ベトナムの民間航空局(CAAV)および米国運輸省のFederal Aviation Administration(FAA)によって定められた基準を満たすパイロット養成および技術者を国際航空安全評価(IASA)に則って訓練するように設計されるとのこと。一方、Vinpearl Airトレーニングセンターは、パイロット、機械工、フライトオペレーター、客室乗務員などの定期的なレベルアップのためのトレーニングを提供。

 CAEオックスフォード航空アカデミーとの協力は、シミュレーションとモデリング技術と航空会社へのトレーニングサービスのカナダのメーカーであるCAE Inc.とのVingroupの最近の協力協定に基づいて行われる。協定によれば、両者はベトナム航空市場に毎年400人の資格のあるパイロットと技術者を提供するという目標を設定した。Vingroupの副会長兼GMのNguyen Viet Quang氏は、同社のパイロットスクールおよびトレーニングセンターの開設を通じて、ベトナムのパイロット不足に対処し、パイロットを海外に輸出することを目指していると語った。

 ベトナムでは現在、ベトナム航空、Vietjet Air、Bamboo Airways、Jetstar Pacific Airlines、VASCOの5社が運航中。投資計画省と運輸省による徹底的な評価の後、ベトナム首相の承認が東南アジアの国に新しい航空会社を形成するために必要とされている。

 Vingroupは、不動産開発・リテール・ヘルスケア・ホスピタリティ・教育・自動車製造・科学研究・人工知能開発など、さまざまな分野にビジネス展開。同コングロマリットの2018年の連結売上高は122兆5,575億ドン(52.8億ドル)で、対前年比37%増となった。

(筆者ブログ寸評)

 向かうところ敵なしのVingroup!先ごろ、自社でEVに参入を発表し、世間を驚かせたばかりだが、今度は民間航空業界へ参入するという。しかも、他のベトナムローカル航空会社のようにただ、商業運行を果たすのみならず、併せて将来的な航空産業人材育成を見据えて、外国の関連企業・団体と組んで、訓練・教育を施し、国内需要のみならず海外のそれも担ってゆくという壮大な目的を持つ。

 Vingroupのビジネスの仕方をなぞってゆくと、リテールにせよ、教育にせよこれまで手がけて来たもの全てに言えるのは、業態の川上から川下までを網羅する手法が見て取れる。それも巨額の資金をドンと投入し、他の追随を始めから許さぬレベルの金額だ。潤沢な資金力にモノを言わせ、今後もVingroupは様々な分野へ参入してゆくだろうが、一方で、同グループに因る各分野の寡占化を心配する声も聞かれる。益々目が離せない同Groupの動きである。

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