Column

2019/11/04

ベトナム飲食業過当競争突入!?

近閉店した庶民的な価格設定でお客を集めてきた、Mon Hue・レストランチェーンは、他の多くのベトナム飲食ビジネス同様の足跡をたどった。10月21日、ベトナムの伝統的なフードチェーン80店舗が予告なく閉鎖され、この結果、数十社に上る同チェーンのサプライヤーがホーチミン本社前で抗議のピケをはり、数百億ドンの未払いがあると主張。同チェーンに対し7000万ドルを投資した外国人投資家は、創業者のアメリカ系ベトナム人のHuy Nhat氏を訴えている。

 Mon Hue社閉店は、ベトナム飲食業界において珍しいことでなく、また今に始まったものでもない。コーヒーおよびレストランチェーンのThe KAfe社は、2017年に閉店したものの、当初の目標を達成できなかった。同店は、香港のカッシア投資から550万米ドルの資金調達後、2016年には海外ファンド投資として最高の注目を集めていた。 同社は、2013年に若いベトナム人によって創業、そして順調に発展を遂げてゆく兆しはありながらも、創業者兼CEOのDao Chi Anh氏は2016年10月に社長職を辞した後、それから6か月後に閉店したのだった。

 またサイゴンカフェは、当初ホーチミン市の一等地に10店舗を構え、設立から1年後の2017年に閉店。当時のマネージャーに因ると、家賃の上昇と過当競争激化の煽りをくらったのが理由と話す。これら失敗の原因のひとつは、拡張コストの上昇及び、各店舗の収益確保が図れなかったことにある。レストラン管理ソリューションプロバイダーのDcorp R-Keeper Vietnam社CEOのDuong Nguyen氏は、一部の飲食店は、利益確保の確証が見込めないままに、最高の立地を得ようとし、高額の家賃を強いられることを厭わない。「各店舗でスタッフ4人で十分なところへ、数十人の従業員を雇う人もいます。店舗展開は屋台を開くこととは異なります。」とNguyen氏。

 Mon Hue社は、拡張出店コストが収益よりも急速に増加したため、昨年現在で約1,070億ドン(4.62百万ドル)の損失を計上していた。2016年から2018年にかけて、運営コストは53%増加しましたが、収益構造はほとんど変化なしだった。マーケティング専門家のLe Phung Hao氏は、次のように述べる。「オーナーが店舗拡大をし続けると、キャッシュフローを生成できず、コストが上昇し、借金が増え、倒産が避けられなくなります。」Duong氏によると、急速な拡大により、オーナーは最も重要な仕事、つまりキャッシュフローの管理と運営コストの抑制に手が回らなくなるのだ。

 店舗を拡大最するにつれて品質確保することは、オーナーにとってのもう1つの重要な課題だ。Hao氏は、チェーンの成功にとって立地が最も重要な要因ではないと述べる。「数が100店舗に達しても、すべての店舗で良好な食品品質を維持することが重要。」とも。伝統的なベトナム料理は仕入れや料理が複雑で、大規模なチェーン全体で標準化するのが難しいのに対し、BBQなどの他の食品は複雑さが低いため標準化が比較的容易なのだ。

 Duong氏は、多くのオーナーが誤ってレストランのチェーンを開くことは単体のレストランを開くことは同じと理解する傾向にあるという。 50店舗以上にチェーンが拡大し、外資を受けたら、経営にはさらに専門的な管理が不可欠であると彼は添えた。結果、これらを疎かにしたためにMon Hue社は倒産に追い込まれたのだと。Mon Hue社各店舗ではスタッフが一般の飲食業と比べ非常に多く働いてた。伝統的なベトナム料理は調理時間と手間が、かかるため、1日でサービスできる顧客の数は限られていた。その結果、料理の待ち時間に多くの顧客は、不満を抱いていたことも挙げられる。

 飲食業コンサルタントであるChau Tieu Ngoc氏は、多くのベトナムのチェーンは適切な市場調査と戦略なしに運営するため失敗を重ねると話す。「チェーンのオーナーは、成功した国際ビジネスモデルを真似るだけでなく、現地の市場と文化、そしてニーズに適合する独自モデルを作成する必要があります。」と付け加えた。市場調査会社Business Monitor Internationalに因れば、ベトナムの飲食業界は2017〜19年の間、年間10.9%で成長すると推定されているとのこと。

(ブログ筆者寸評)

 ベトナムもご多分に漏れず、近年スタートアップやベンチャーが盛んであり、これらの仕組みを利用して起業がなされている。その中でも飲食業は、これまでチェーン展開については他国に比べブルーオーシャンなので、多くの起業家がこの業界でチャレンジを試みる。

 資金が潤沢だから成功するのか?ここベトナムでは、そんな甘いものではありません。特に短期の間に多店舗展開(チェーン店化)を目論む場合、不安定な問題が構造的に横たわっている。まず、不動産がバブル化しているので、店舗の家賃が周辺相場が引き上がることにより、毎年、上昇!欲の面の厚い地主ともなれば、1年賃貸契約を交わしていても地面相場が高騰すれば、その期間内であっても平然と契約を破ることもザラ。次に、記事の中にも取り上げられていたように、急激な多店舗展開はマネージャーやスタッフ教育に費やす時間を削ることになるために、サービスや料理の質の低下を招くことになる。結果、ここで顧客喪失に繋がり経営の悪化につながってゆくわけである。

 この2つのポイントを理解した上で、資金確保と店舗展開計画を用意周到に準備することが成功の鍵になると筆者は考える。一歩でも他社を先んじたい!その気持も解らないではない。しかし、計画を疎かにしては徒に失敗に向かうだけだ。或いは、多店舗展開は初めから考えず、ひとつの事業・ひとつの店舗でお客様ひとりひとりと真摯に向き合い、大儲けはできずとも、一所懸命真心を込めて商売することが、この国では王道だろうと筆者は考えるが如何に、、、、

親日国ベトナムで、日本ブランドを展開するなら今がチャンス!