Column

2019/09/12

雨よ、いずこに〜(19APR2005)

    このところ、干ばつ被害が著しかったベトナム中部各省と中部高原部各省に久々に降雨があったと政府が発表。降雨は、過去数日Binh Dinh省に降り注いだ。これら地方の指導者らは、地元人民や地方政府に対し、今、夏・秋の農産物収穫に備え、水を蓄えるよう指示した。一方、南部Binh Phuoc省では先週日曜日は雨が降り、コーヒー・胡椒・各種果物そしてカシューナッツに恵の水を与えた。中部Phu Yen省でも日曜日に10~15mmの降水があり一時的ではある物の森林火災のリスクを回避したとのこと。しかし、同省の役人に因れば、6,700hrに及ぶ、冬・春収穫の米穀、野菜などは今も引き続き干ばつの危機に晒されていると話す。
 熱帯モンスーン地方に属するAn GiangKien省、Kien Giang省、Can Tho省等のメコンデルタ地域では、降水が確認されている。農林省に因れば、9つの省での損害額は108.3millionに達し、中でも特に中部のDac Lac、Dac Nong両省は矢面に立ち、その損失額はUS62.9millionに達する勢いである。家畜・穀物・森林資源が損失の主な対象だが、干ばつに因る被害は 森林火災を起こす一方、人民や家畜への水不足に深刻な陰を落としている。にも関わらず、農林省では具体的な対策を施すに至っていない。水不足は、4月末まで、場合によっては5月まで解消されないと予想されている。過去数十年間で干ばつ被害は、暑さのみならず、期間の長期化も激しくなって来ており、殆どの小さな川は水が干上がり、今のところ24million立方米の水源がBinh Thuanの8つの貯水池と足しても残されていない状態である。
 水不足は、Ninh Thuan省、Binh Thuan省、Dac Nong省、 Dac Lac省、Gia Lai省などに飢饉を育みつつある。110万人を越えるこれら各省で日常使用する飲料水不足を起こし、53万人近くが飢餓の危機に直面している。しかし、ここでも農林省は何ら有効な施策を立てていない。レインジャー部隊に因れば、北部Son La省では1,400hrを超す森林が今年に入り39回の山火事に因り、森林資源が消失している。レンジャー部隊は、関係各省へ山火事等の災害に即応するため、消火設備の強化を求めている。中部Kon Tum省Tay Nguyenでは、3月19日に3つの山火事が発生し、凡そ500hrの森林を消失するに至った。同省の役人に因れば、2004年から5年にかけて既に65回に渡る山火事が起き、消失面積は1,300hrに及ぶとの事。

 農林大臣のCai Duc Phat氏が語るところに因れば、政府としては灌漑設備の増強や水資源供給システムの確立を早急に目指すと共に、収穫時期のパターンを変更したり環境破壊に因って起こる水不足の発生を抑制する。亦、中・大規模の灌漑用貯水池建設をプロジェクト化し、貯水能力を高めて行き、政府債に因って4つの貯水池を順次増設中である。しかし、干ばつに打ち勝つためには、貯水能力並びに供給能力の向上のみならず、干ばつとうまく共生する新たなコンセプトの確立が必要と農林省は語っている。

(ブログ筆者寸評) 
 一般的に灌漑工事などのインフラ設備の向上は国民の生活を安定化させるため最優先課題として効果的に実行されなければならない。ところが、ここベトナムでも公共事業は地方役人の利権化としており格好の食い物となっている。大手国営ゼネコンが一手に仕事を受け、自社の利益を確保し次に中規模ゼネコンに丸投げし、延々とこの手法で、利益をむしゃぶるり尽くし、結果的にそのツケが庶民に回される。昨年あたりから中央政府も、この様な流れにメスを入れ始めているようだが、ベトナム全土に行き渡り是正されるまでの道のりはまだまだ時間が掛かるのだろう。今のところは利権を握る地方政府内部に巣くう役人らの暗躍で、握りつぶされ、最後はうやむやにされておしまいと言うのが現状だ。

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