Column

2019/09/09

ファミリービジネスは早期事業継承計画が必要

「次世代のリーダーの育成ならびに世界的に成功するファミリービジネス最良実践法」というテーマで、Mentally Fit Global、リーディングビジネスクラブ、ビジネススタディー&アシスタンスセンターによって、先日ホーチミン市で開催された会合で、家族経営(ファミリービジネス)企業らが集まり、後継者へ早期事業承継策定について話し合われた。創業(起業)世代は、後継者へのリーダーシップの移行は家族経営企業にとって非常に重要だと考えているようだ。創業世代はビジネスを起業し、確立させるのに膨大な時間と労力を要し、そのビジネスが代々家族に継承され所有し続け繁栄することを望んでいる。

 Manulife VietnamのチーフパートナーシップディストリビューションオフィサーであるHoe Shin Koh氏は、高い職責と年長者への敬意を特徴とするアジア文化では、若い世代の人たちは、余り経営に口を出さないため、多くの家族経営者トップは後継者への事業継承を準備する明確な計画がないのだ。家族経営企業のトップは、明確な継承計画を作成するために、すべての経営会議だけでなく家族会議でも後継者育成に関する長期的な問題を話し合うべきだと、Hoe氏はつづけた。

 ベトナム高品質製品ビジネス協会会長のVũ Kim Hanh氏は、家族経営では通常、創業世代は跡を継ぐ子供たちは、彼らの意向に従うべきだという固定観念を持っていると話す。しかし、この観念を払拭し、創業世代は次世代に力を与え、彼らの考え方に耳を傾け、やる気を起こすよう努めることが必要だとつづけた。Tân Hiệp Phát Beverage Groupの副CEOであるTrang Uyên Phương女史は、家族経営企業では、創業世代と後継ぎ世代でのビジネス管理対する世代間ギャップと考え方の対立は避けらない傾向にあるが、どちらの世代も互いの意見に耳を傾け、共にビジネスを伸ばしてゆくよう協力しなければならないと話す。

 Sea Corp社ゼネラルディレクターのTrần Phong Lan氏は、ビジネスを確立するのは難しく、複数世代にわたってビジネスを成功させることはさらに困難なものという。彼は跡継ぎの負担を軽減するために、創業世代がやるべき2つの点があると話す。外資系企業から学び、各職責の役割を明確に規定し、文化・ビジネス価値を打ち立て、強力かつクリアーな法的管理基盤を構築する家族経営企業の絆と倫理感の確立がそれだ。その上で、跡継ぎはこれらの価値を維持する必要があると彼は説く。

 また同氏は、創業世代と後継世代の価値観の差も大きな要素のひとつで、前者は完全にビジネスに専念してきたが、後者についてはビジネスとプライベートのワークライフバランスを重要視する点は見逃せない。第一世代は完全にビジネスに専念していましたが、第二世代と第三世代とミレニアル世代はワークライフバランスをもっと求めています。そのうえで、後継世代は、ビジネスを支えてゆくために何を変える必要があり、何が将来の成功につながってゆくのかを考え明確な指針を持つべきであると彼は付け加えた。事業継承は、ビジネスファミリーにとって最も差し迫った問題の1つであり、現在の世代は長年にわたって次世代を育成し、将来に備え、徐々にビジネスの課題・経営慣行を受け継ぐことが肝要で、これまで家族経営企業は伝統的に忠実な労働力に依存しているが、今後はAI等の導入で労働力を管理してゆく工夫をし、新しいレベルの経営を迫られてゆくだろう。

(ブログ筆者寸評)

 伝統的に国が管理してきた国営企業以外では、家族経営による企業体が多いベトナム。これは歴史的に身内以外は信頼できないといった思想が根強いからだが、ドイモイより34年を経て、ベトナムの経済発展が進むと共に、その経済基盤を拡大させてきた家族経営企業も成長し、ここに来て創業世代から次世代への事業継承の過渡期へと入り、それに対するニーズの高まりにより、今回のような話し合いの場が設けられたと推測する。

Bryant University, Smithfield, RI

 今回このニュースに私自身が関心を持ったのは、身につまされたからだ。弊社NhatAnhも今月17日で、創業24期目を迎えるのだが、一人娘は米国留学中で、卒業後にはベトナムに戻らず、できれば米国に留まり就職を希望。事実上、わが子への事業継承は難しくなる。幸い会社には義妹夫婦が20年余、精勤してくれているのだが、事業継承について彼らと話し合ったことはない。もし、「継がない」と言われたら、せっかく我ら夫婦で、立上げ継続してきた事業だが、そろそろ自分たちも近未来に備え、具体的な事業再設計に取り組まなくてはならない時期に差し掛かってきたようだ。

 

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